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[銀座東京クリニック]


がん治療に役立つ生薬・ハーブ・民間薬

1.胃腸の調子を整えて元気をつける生薬
2.栄養状態を良くして抵抗力を高める生薬
3.体の潤いを増す生薬
4.体の機能の停滞を改善する生薬
5.組織の血液循環を良くする生薬
6.体の水分の分布と代謝を良くする生薬
7.体を温めて新陳代謝を高める生薬
8.炎症を抑え解毒機能を補助する生薬
9.がん細胞の増殖や転移を抑える生薬
10.ハーブ、民間薬

1.胃腸の調子を整えて元気をつける生薬 =補気・健脾薬=
人参(ニンジン)
  • ウコギ科のオタネニンジン(Panax ginseng)の根。薬用人参や朝鮮人参や高麗人参とも呼ばれる。加熱処理して赤褐色になったものを紅参(コウジン)という。
  • 消化吸収機能を賦活化し、種々のストレスに対する生体の非特異的抵抗性を強くする。蛋白合成を促進し、新陳代謝と免疫能を高める。強壮作用や抗疲労作用もある。
  • 各種の悪性腫瘍によって引き起こされる貧血、気力減退、食欲不振、がん性疼痛などに有効。侵襲的治療による骨髄障害や肝障害や免疫機能低下を抑制し、回復を促進する。手術などによる身体衰弱や栄養状態の改善にも有効。がん細胞の増殖や転移抑制なども報告されている。
    紅参に加工すると血液循環促進やがん予防効果が強くなると言われている。
  • むくみが生じることがあり、太って血色のよい活動的な者(実証)が服用すると、興奮、不眠、のぼせ、顔面紅潮などのほか、湿疹、血圧上昇などの有害作用が見られることがあるので注意が必要。活動性の炎症や熱があるときは使用しない。
田七人参(デンシチニンジン)
  • ウコギ科のサンシチニンジン(Panax notoginseng)の根。三七人参とも呼ばれる。
  • 肝細胞の保護作用と、障害を受けた肝細胞の再生を促進する効果があるので、肝機能障害に使用することが多い。
  • 止血作用があるので、喀血、吐血、血便など出血がある場合に使用される。
  • 血液循環を良くするので虚血性心疾患や高血圧にも使用される。
黄耆(オウギ)
  • マメ科のキバナオウギおよびナイモウオウギの根。
  • 強壮作用があり、病気全般に対する抵抗力を高める効果がある。多糖類成分にインターフェロン誘起作用など免疫機能増強作用が報告されている。
  • 皮表の毛細血管拡張作用があり、体表の新陳代謝や血液循環を促進し、皮膚の栄養状態を改善する。肉芽の形成を促進する効果がある。
  • 非小細胞性肺がんの白金製剤(シスプラチン、カルボプラチン)をベースにした抗がん剤治療と併用して、抗腫瘍効果を高め副作用を軽減する効果がメタアナリシスで確認されている。
白朮(ビャクジュツ)
  • キク科のオケラ又はオオバナオケラの根茎
  • 胃腸虚弱の人の食欲不振、泥状〜水様便、疲労倦怠、疲れやすいなどの症状を改善する。消化管内や組織間の水分を血中に吸収して利尿によって除去する。
蒼朮(ソウジュツ)
  • キク科のホソバオケラ,シナオケラの根茎.
  • 利水作用が主で、消化管内や組織中に水分が停滞して消化吸収機能が低下している症状を改善する。関節の腫脹や疼痛を軽減する作用もある。
  • 蒼朮・白朮ともに免疫賦活作用が報告されている。
山薬(サンヤク)
  • ヤマノイモ科のナガイモの根茎
  • 滋養強壮作用を有し、胃腸の働きをよくし、消化吸収機能を高めて慢性下痢を止める。
  • がんの手術、放射線、化学療法により引き起こされた胃腸虚弱、下痢、胃のもたれや食欲不振などの症状に使用する。作用はおだやかで弱いが、便が硬い場合には慎重に使用する。
甘草(カンゾウ)
  • マメ科のウラルカンゾウの根。
  • 主成分はトリテルペノイド配糖体のグリチルリチンで非常に強い甘味があり、ステロイドホルモン様作用・抗アレルギー作用・抗消化性潰瘍作用・免疫賦活作用・抗腫瘍作用・抗変異原抑制作用・抗ウイルス作用など多彩な作用を持っている。
  • 他の薬の薬性を調和させ、薬効が過剰にならないように緩和させ、副作用の軽減を図る目的や、味をよくする矯味薬として使用される。
  • 大量を長期間使用すると偽アルドステロン症(低K血症、浮腫、高血圧)を引き起こすことがある。
大棗(タイソウ)
  • クロウメモドキ科のナツメまたはその他同属植物の果実
  • 胃腸虚弱な人の食欲不振・元気がない・疲れやすいなどの症状に、補気薬の補助として用いる。刺激性の強い峻烈な作用を持つ薬物に配合して、薬効を緩和する。
茯苓(ブクリョウ)
  • サルノコシカケ科のマツホドの外層を除いた菌核。
  • 消化吸収を促進し、利水の効能により消化管内の水分を除くので、胃腸虚弱に伴う水分停滞に用いられる。消化管内や組織間の水分を血中に引き込んで除去し尿量を増して、浮腫・腹水・下痢・尿量減少を改善する。
  • 精神安定に働くので、動悸・不安感・驚きやすい・不眠などに有効。
  • 多糖体成分には免疫賦活作用を介した抗腫瘍効果が報告されている。

2.栄養状態を良くして抵抗力を高める生薬 =補血薬=
当帰(トウキ) 
  • セリ科のトウキ又はその他近縁植物の根。
  • 血管拡張・血行促進により身体を温める。
  • 肉芽形成促進作用も有するので、難治性の皮膚潰瘍などに黄耆とともに使用する。
  • 腸内を潤して排便しやすくさせる(潤腸)ので、血虚による便秘に有効。
  • 多糖体成分に免疫賦活作用・抗腫瘍効果が認められている。
芍薬(シャクヤク)  
  • ボタン科のシャクヤクの根。
  • 補血作用と同時に体液の耗散を防ぐ。骨格筋.平滑筋の痙攣を緩解して鎮痛するので、様々なけいれん性疼痛に用いられる。
  • 主成分のモノテルペン配糖体のペオニフロリン類には鎮痛・鎮静作用の他、末梢血管拡張・血流量増加促進・血小板凝集抑制・抗アレルギーなどの作用がある。
地黄 (ジオウ) 
  • ゴマノハグサ科のアカヤジオウ又はカイケイジオウの根。酒を加えて蒸し、乾燥する工程を繰り返したものを熟地黄という。
  • 補血および滋陰の常用薬として血虚や陰虚に広く用いる。腸管内を滋潤して排便を促する。
  • 腹にもたれ吸収されにくいので、食欲不振や胃重感をきたしたり、下痢を起こすことがあるので、水様便や食欲不振を訴える胃腸虚弱者には慎重に用いる。
何首烏(カシュウ)
  • ミズキ科のサンシュユの偽果の果肉
  • 消化されやすく、長期間の服用で弊害がなく、高齢者の強壮薬として珍重されている。腸蠕動を促進して便通を良くし、皮膚の乾燥やかゆみを緩和する。
阿膠(アキョウ) 
  • ロバ、ラバの皮・骨・腱・靭帯から作られた膠。
  • 強い補血作用を持ち、血液の凝固性を強めて出血を止めるので、出血全般に広く用いる。また皮膚のつやを良くする。
枸杞子(クコシ)  
  • ナス科のクコの成熟果実
  • 疲労回復や老化防止の効果があり、昔から不老長寿の民間薬として利用されている。各種ビタミンを含み栄養価が高く、強い抗酸化作用も注目されている。
竜眼肉(リュウガンニク)
  • ムクロジ科のリュウガンの果肉
  • 乾燥性の咳嗽や熱病後の動悸・煩躁感(イライラ感精神安定と滋養強壮の効能を持つので、眠りが浅い・多夢・不安感・食欲不振・元気がない・疲れやすいなどの症状が見られる場合に用いる。)・不眠・精神不安などに用いられる。
遠志(オンジ)   
  • ヒメハギ科のイトヒメハギの根
  • 不安感や不眠などの症状を改善する。
  • 鎮静・催眠作用・抗痴呆作用・抗消化性潰瘍作用・去痰作用・インターフェロン誘起作用などの薬理作用が報告されている。
酸棗仁(サンソウニン) 
  • クロウメモドキ科のサネブトナツメの種子
  • 中枢抑制作用(鎮静作用・鎮痛作用・催眠作用)や抗ストレス作用が認められている。不安感や不眠などの症状があるときに使用する。
鶏血藤(ケイケットウ)  
  • マメ科の白花油麻藤の茎
  • 補血と駆オ血作用によって循環状態を改善する。鎮痛作用もある。
  • 造血作用、特に白血球増加作用があり、化学療法や放射線療法による白血球減少に有効。

3.体の潤いを増す生薬 =滋陰薬=
麦門冬 (バクモンドウ) 
  • ユリ科のジャノヒゲの根の膨大部
  • 滋潤性をもち、体液産生に働く。肺を滋潤し、鎮咳するとともに痰を溶解して喀出しやすくする。
  • 鎮咳作用、血糖降下作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用、抗腫瘍作用などの薬理作用が報告されている。
天門冬(テンモンドウ) 
  • ユリ科のクサスギカズラのコルク化した外層の大部分を除いた根を蒸したもの
  • 陰虚全般に幅広く使用される。麦門冬と効能が似るが、麦門冬よりも清熱(抗炎症作用)の力が強い。 
  • 実験的に放射線障害改善作用・抗腫瘍作用・インターフェロン誘起作用が報告されている。
か楼根(カロコン) 
  • ウリ科のキカラスウリ又はオオカラスウリの皮層を除いた根。天花粉ともいう。
  • 寒性で清熱(消炎)するとともに体液を補うので、熱証を伴った陰虚に用いる。肺を滋潤して痰を溶解し喀出しやすくする。口渇を止める。
  • 薬理学的に抗消化性潰瘍効果やインターフェロン誘起作用が確認されている。種子(兜楼仁)にも抗腫瘍効果や免疫賦活作用が認められている。
山茱萸(サンシュユ) 
  • ミズキ科のサンシュユの偽果の果肉
  • 肝腎を補益する薬効があり、腎虚に使用する。
  • 抗糖尿病作用・抗アレルギー作用・免疫賦活作用・肝障害改善作用・抗腫瘍作用などの薬理作用が報告されている。
五味子(ゴミシ) 
  • マツブサ科のチョウセンゴミシの果実
  • 呼吸困難・咳嗽を鎮める効能を持つ。
  • 口渇・水分を欲する・元気がない・疲れやすい・腰や膝がだるく無力などの症候に用いる。
  • 鎮静・鎮痙作用、鎮咳作用、鎮痛作用、抗胃潰瘍作用、肝障害改善作用、アラキドン酸代謝抑制作用、抗アレルギー作用、抗酸化作用、抗凝固作用などの薬理作用が報告されている。ウイルス性肝炎などにおける肝臓の炎症や肝機能障害を良くする効果がある。
玄参(ゲンジン) 
  • ゴマノハグサ科のゴマノハグサの根を乾燥したもの。
  • 体液を滋潤するとともに熱を取る効果があり、高熱や発汗による体液損耗に適する。
  • 熱証に用いることを原則とし、潤腸通便の作用があるので脾虚の泥状〜水様便や寒証には慎重に用いる。
  • しこり・結節などを軟化する作用(散結消腫)を持つ。
白合(ビャクゴウ)
  • ユリ科のユリの鱗茎。
  • 乾燥性の咳嗽や熱病後の動悸・煩躁感(イライラ感)・不眠・精神不安などに用いられる。

4.体の機能の停滞を改善する生薬 =理気薬=
陳皮(チンピ) 
  • ミカン科ウンシュウミカン又はその他近縁植物の成熟した果皮
  • 芳香性のある精油成分を豊富に含んでいるため、胃液分泌や腸管運動を促進し(健胃作用)、腸管のガス排出を促進(駆風作用)する。食欲を増進し吐き気を止め、いわゆる芳香性苦味健胃薬として知られている。他薬の吸収を補助して腹にもたれさせないので、多くの方剤に補助薬として広く用いられる。
  • フラボノイド類を豊富に含み、抗炎症・抗アレルギー・血行改善にも働く。抗腫瘍効果が報告されており、発がん予防や再発予防にも効果が期待される。
 枳実(キジツ)・枳穀(キコク)
  • ミカン科のダイダイ、ナツミカン、又は近縁植物の果実。幼果を乾燥したものが枳実で、未成熟果実が枳穀
  • 胃腸の蠕動を増強し、気滞による痞え、腹満、腹痛、便秘など(胃・腸管の緊張やけいれんによる症状)を改善し、さらに気道や胆道などのけいれんを緩和する。
  • 枳実と枳穀はほぼ同様の効能をもつが、枳実の方が理気作用が強く、枳穀は作用がマイルドで虚証にも用いられ用途が広い。
  • 精油成分のd-リモネン、フラボノイドのヘスペリジン、アルカロイドのシネフリンなどにはがん予防効果が報告されている。
香附子(コウブシ)
  • カヤツリグサ科のハマスゲの根茎
  • 気欝をともなう消化機能異常、すなわち精神的要因により生ずる食欲不振・腹痛・下痢などに用いる。
木香(モッコウ) 
  • キク科モッコウの根
  • 芳香性理気薬で、主に胃腸の働きを整え消化吸収を促進し、胸や腹の脹満感や痛み、嘔吐、下痢などを改善する。
  • 精油成分のコスツノライド(costunolide)には、抗炎症作用やがん予防効果が報告されている。
蘇葉 (ソヨウ)
  • シソ科のシソ又はその他近縁植物の葉
  • 気のうっ滞を発散して気分を明るくする抗うつの効果を持つ。。
  • 鎮静作用・解熱作用・抗菌作用・抗アレルギー作用・免疫賦活作用・TNF産生抑制作用などの薬理作用があり、精油成分のペリルアルデヒドやメントールが大きく関与している。
薄荷 (ハッカ)  
  • シソ科のハッカ又はその種間雑種の地上部
  • メントールを主とする精油成分は末梢血管拡張作用・鎮痙作用・中枢抑制作用・鎮痛作用・抗アレルギー作用などの薬理作用を持つ。
  • 芳香により気欝を軽快させ、「抗うつ」や自律神経失調を改善する作用を持つ。
烏薬(ウヤク)
  • クスノキ科のテンダイウヤクの肥大根を薄片状に切り乾燥させたもの。
  • 温性の理気薬で、寒証に伴う気滞に広く用いる。芳香性の健胃作用があり、鎮痛作用も強く、冷えやストレスなどによる気のうっ滞(気滞)による腹痛に用いられる。
半夏(ハンゲ)
  • サトイモ科のカラスビシャクの根茎の外皮を除去し乾燥したもの
  • 漢方の鎮吐薬の代表で、悪心・嘔吐を止め、鎮咳・去痰作用がある。「抗うつ」や自律神経機能調整に働く。
  • 強いえぐ味を持っており、副作用を避けるため、通常生姜と組んで用いられる。
厚朴(コウボク)
  • モクレン科のホウノキの樹皮
  • 軽度の解鬱の効能を持ち、憂鬱・抑鬱に有効。腸蠕動を調整して腹満を除くので、腹が脹る場合や蠕動を調整する目的で用いる。
  • 筋弛緩、抗痙攣作用・鎮静作用・鎮痛作用・抗炎症、抗アレルギー作用・鎮吐作用・抗菌作用・抗腫瘍活性作用などの薬理作用が知られている。
縮砂(シュクシャ)
  • ショウガ科のシュクシャの種子塊
  • 胃腸の蠕動を調整する芳香性健胃薬で腹満・悪心・嘔吐・腹痛を止める。特にストレスによる気滞の症状としての腹満感やつかえに効果がある。
大腹皮(ダイフクヒ)
  • ヤシ科のビンロウの果皮
  • 腹部膨満や下痢の改善に用いる。胸水・腹水・浮腫にも有効。
檳榔子(ビンロウジ)
  • ヤシ科のビンロウの種子
  • 成分のアレコリンには副交感神経刺激作用があり、腸蠕動を亢進させて胃腸内の停滞を除く。胸腹の膨満感・便秘・腹痛などに用いる。
柴胡(サイコ)
  • セリ科のミシマサイコの根
  • 抑うつ・緊張状態を緩解し、自律神経系を調整して諸機能を円滑にする。
  • 肝障害改善作用・抗炎症作用・抗アレルギー作用・ステロイド様作用・ステロイド剤副作用防止作用・脂質代謝改善作用・抗ストレス作用・中枢抑制作用・抗消化性潰瘍作用・抗腫瘍作用・インターフェロン誘起作用など多彩な薬理作用が報告されている。

5.組織の血液循環を良くする生薬 =駆お血薬=
桃仁(トウニン)
  • バラ科のモモの種子
  • 微小循環改善、抗凝血などの作用を持ち、さまざまな血液循環障害(お血)に広く用いられる。
  • 抗炎症作用や鎮痛作用もあるので、炎症性疾患の微小循環障害に清熱剤とともに用いる。特に炎症による充血や微小循環障害によって疼痛を呈する場合に効果がある。
  • 豊富な油性成分を含み、腸管内を潤滑にして通便する(潤腸通便)。
牡丹皮(ボタンピ)
  • ボタン科のボタンの根皮
  • 寒性の駆お血薬で、抗炎症作用も有するので、炎症に付随する微小循環障害によく用いられる。
  • 主成分はフェノール類のペオノールやモノテルペノイド配糖体のペオニフロリンなどで、いずれも鎮痛・鎮静作用が認められている。タンニンを多く含み強い抗酸化作用をもつ。
紅花(コウカ) 
  • キク科のベニバナの管状花を乾燥したもの。
  • 温性の駆お血薬として微小循環改善に広く用いる。一般には桃仁と併用して効能を強める。
  • 十全大補湯などの補血薬に併用することにより、補血作用を強めることができる。
  • 血圧降下作用・血流量増加作用が認められ、マクロファ−ジ活性化やインタ−フェロン誘起作用など免疫賦活作用も報告されている。
牛膝(ゴシツ)
  • ヒユ科のヒナタイノコズチの根
  • 下半身の血行を促進して、薬効を下方に導くと、下半身の痛みによく用いる。
蘇木(ソボク)
  • マメ科のスオウの木部(心材)
  • 組織の微小循環を改善し、鎮痛や血腫の吸収に効果がある。
大黄(ダイオウ) 
  • タデ科のダイオウの根および根茎
  • 腸蠕動を刺激して瀉下通便の作用をもたらし、腸管内の腐敗物を除去し、エンドトキシンなどの吸収による悪影響を防止する。
  • 組織の微小循環改善に働くとともに、抗炎症・解熱・化膿抑制の効果(清熱解毒)を示す。鎮静作用があり、のぼせ・いらいら・不眠などを改善する。
  • ジアンスロン成分のセンノサイドA〜Fが腸内細菌によって瀉下作用の強いレインアンスロンに変換される。フェノール配糖体のリンドレインには消炎・鎮痛作用が認められ、タンニンには血中尿素窒素低下作用が報告されており腎不全改善にも効果がある。
川きゅう(センキュウ)
  • セリ科のセンキュウの根茎
  • 体を温めるので、温性の駆お血薬として寒証に広く用いられる。血管拡張・血行促進に働いて諸機能を促進する。
  • ゆううつ、抑うつなどを改善する効能もある。鎮痛作用があり、頭痛・腹痛・筋肉痛・生理痛などにも効く。
  • 成分のリグスチライドなどのフタライド類に筋弛緩作用や血小板凝集阻害作用が報告されている。酸性多糖体に免疫賦活作用が認められている。
延胡索(エンゴサク)
  • ケシ科のエンゴサクの塊茎。
  • 成分のアルカロイドによる確実な鎮痛効果をもつので、気のうっ滞(気滞)や血液循環障害(お血)により生ずる様々な疼痛(胸痛・腹痛・月経痛など)に使用される。中国では鎮痛を目的とする注射薬としても使用されている。マウスの実験で放射線障害防護作用が報告されている。
欝金(ウコン)
  • ショウガ科のウコンの根茎
  • 気滞と犬血を共に改善し、ゆううつ・抑うつ・いらいらなどの情緒不安定などの症状を安定させる効果がある。利胆薬として肝疾患に用いられ、芳香性健胃薬としても使用される。
  • 黄色色素クルクミン(curcumin)およびその類縁物質には、抗炎症作用・抗酸化作用などの薬理作用が報告されており、がん予防効果が指摘されている。
莪朮(ガジュツ) 
  • ショウガ科ガジュツの根茎
  • 血行を促進すると同時に、血腫や凝血塊などを吸収して除き、お血による腫瘤を軟化させる。
  • 精油成分中にセスキテルペン類を多く含み、がん細胞に対する抑制作用がある。同時に免疫力を増強する効果も有し抗腫瘍作用が期待できる。中国では注射液ががん治療に用いられている。
  • 精油には芳香健胃作用があるので、消化異常による胃、腹の脹痛、胸脇痛によく効く。
三稜(サンリョウ)
  • ミクリ科のミクリの根茎の外皮を削り乾燥させたもの。
  • 強い駆犬血の作用があり、血腫・凝血塊などを溶解・吸収して除き、お血による腫瘤を軟化させる。莪朮と組み合わせて用いると抗腫瘍効果が増強される。
丹参(タンジン)
  • シソ科のタンジンの根
  • 抗炎症作用や抗酸化作用を持っているので、炎症などの熱証を伴う犬血の病態に適する。駆お血薬としての効果が強いが、同時に補血と精神安定の効果も持つ。中国では慢性肝炎や心筋梗塞の治療にも使用されている。
  • 直接的な抗がん活性の報告もあるが、免疫系に対してはTh1系の細胞性免疫(腫瘍免疫)を抑える方向で働くため、補益薬との併用を行う。
益母草(ヤクモソウ)
  • シソ科のメハジキの葉茎
  • 婦人科の常備薬。産前・産後を通じて使用でき、月経不順や月経痛を伴うときに、他の駆お血薬と併用する。
山寒子(サンザシ)
  • バラ科のサンザシの果実
  • 気滞とお血に有効。消化酵素を含み、胃腸の運動を促進して消化吸収を強め、下痢を止めるので、消化不良の基本薬として用いる。
地竜(ジリュウ)
  • ミミズを乾燥させたもの。
  • 溶血作用をもち血管内・外の凝血塊や血腫を溶解して除き、微小循環を改善する。

6.体の水分の分布と代謝を良くする生薬 =利水薬=
猪苓 (チョレイ) 
  • サルノコシカケ科のチョレイマイタケの菌核
  • 組織間や消化管内の余剰水分を血中に吸収して利尿作用によって排出するので、泥状〜水様便を改善し、また浮腫・水腫などを消退させる。
  • 茯苓と効能が似るが、茯苓より利尿作用が強く補益性は弱い。
  • 多糖成分には免疫賦活作用を介した抗腫瘍作用が知られている。
沢瀉 (タクシャ)
  • オモダカ科のサジオモダカの塊茎
  • 利水・清熱の効能があり熱証に使用される。
  • 含有多糖類には免疫賦活作用が認められている。
防已 (ボウイ)
  • ツヅラフジ科のオオツヅラフジのつる性の茎及び根茎
  • 防已アルカロイド(sinomenine)には鎮痛・抗炎症作用・抗アレルギー作用が報告されている。利水作用の効能は弱く、止痛を主体とする。
麻黄(マオウ) 
  • マオウ科のシナマオウ又はその他同属植物の地上茎
  • 中枢興奮作用・発熱作用・交感神経興奮様作用・鎮咳作用・抗炎症作用・抗アレルギー作用・抗腫瘍作用などがある。主成分のエフェドリンは交感神経興奮作用や気管支筋弛緩作用を示す。
  • 血管透過性亢進による浮腫・水腫あるいは滲出物などを軽減する。運動障害、関節痛、疼痛などに用いる。
  • 気管支平滑筋の痙攣を解除して呼吸困難を鎮め(平喘)、咳嗽を止める(止咳)。
  • 副作用として不眠・動悸・頻脈・発汗過多・胃腸障害などがある。発汗作用が強いので汗をかきやすい状態には用いない。虚弱体質者・不眠症・高血圧・狭心症の人に対しては注意が必要。
車前子(シャゼンシ)
  • オオバコ科のオオバコの種子
  • 清熱(抗炎症)と利水の効能を持ち、排尿障害や膀胱炎・血尿・下痢・痰などに用いる。
木通(モクツウ)
  • アケビ科のアケビまたはミツバアケビのつる性の茎
  • 清熱(抗炎症)と利水の効能を持ち、膀胱炎などによる排尿障害、浮腫・湿疹などに用いる。
呉茱萸(ゴシュユ)
  • ミカン科のゴシュユの果実
  • 体を温め、冷え症状や血行障害を改善し、冷えによる下腹部痛・生理痛・頭痛・下痢などに効果がある。

7.体を温めて新陳代謝を高める生薬 =補陽薬=
附子(ブシ)
  • キンポウゲ科のハナトリカブトその他同属植物の子根を加熱加工したもの
  • 強心・末梢循環改善・代謝の亢進・脳の興奮性増大などに働いて、極度に低下した新陳代謝機能の振興剤として用いる。薬理作用として、鎮痛作用、強心作用、血管拡張作用、肝臓での蛋白質生合成促進作用、抗炎症作用、抗ストレス作用、などが報告されている。
  • 薬用量と中毒量が近いためその使用には十分な注意が必要。副作用による症状として、心悸亢進、のぼせ、舌のしびれ、悪心などがある。体力が充実し、脈が強く触れる実証には用いない。心臓疾患がある人には注意が必要。
  • 毒性の原因であるアコニチン系アルカロイドの濃度は、煎じる方法・時間・溶液のpHなどによっても変化する。
桂皮(ケイヒ)
  • クスノキ科のニッケイ類の樹皮
  • 血行を促進して体を温める効果があり、鎮痛にも働くので、冷えによる痛みなど各種の症状に用いられる。
  • 精油成分には解熱・鎮静・鎮痙・末梢血管拡張・抗菌作用などが認められている。
乾姜(カンキョウ)
  • ショウガ科のショウガの根茎を湯通しし、もしくは蒸してから乾燥したもの。
  • 体を暖める作用が強く、身体の機能低下と低体温を回復させ、冷えによる各種の症状に用いる。
杜仲(トチュウ)
  • トチュウ科のトチュウの樹皮
  • 肝臓における蛋白質合成および糖代謝が改善されるなど、虚弱状態を改善する作用や抗ストレス作用がある。肝腎を温補するので、肝・腎の陽虚に適する。
蛇床子(ジャショウシ)
  • セリ科のオカゼリの成熟果実
  • 補陽・止痒・殺虫の効能がある。腎陽虚に用いる 
  • [常用量/日]3〜9g
淫羊鉦(いんようかく)
  • メギ科のイカリソウの葉
  • 古くから強精・強壮の民間薬として使用されている。腎陽虚の膝や腰がだるく力がない・四肢の冷え・寒がる・インポテンツなどの症候に用いる。
丁子(チョウジ)
  • フトモモ科のチョウジの花蕾
  • 胃腸の冷えによる腹痛や悪心・嘔吐に対して効果がある。
山椒(サンショウ)
  • ミカン科のサンショウの成熟果皮
  • 芳香性健胃薬・整腸薬として用い、腹部のガス停滞やそれに伴う腹痛を改善する。辛味成分のサンショオールなどが腸管を刺激して働きを活発にする。殺菌作用がある。

8.炎症を抑え解毒機能を補助する生薬 =清熱解毒薬=
黄連 (オウレン)
  • キンポウゲ科のオウレンのひげ根を除いた根茎
  • アルカロイドのベルベリンが主成分で、中枢抑制作用・鎮痙作用・健胃作用・止瀉作用・血圧降下作用・動脈硬化予防作用・抗炎症作用・抗菌作用などの薬理作用がある。
  • 気分がいらいらして興奮するのを鎮静し、のぼせ・不安・不眠・出血などの症状に用いる。下痢・嘔吐などの胃腸炎に対して抗菌・整腸作用を示し、各種炎症性疾患に対して確実な抗炎症作用を示す。

 
黄ごん (オウゴン)
  • シソ科のコガネバナの周皮を除いた根
  • フラボノイド類(バイカリン・バイカレイン・オーゴニンなど)を多く含み、抗炎症作用・抗アレルギー作用・プロスタグランジン生合成阻害作用・抗腫瘍作用・毛細血管強化作用・脂質代謝改善作用・肝障害予防作用などの多彩な薬理作用がある。
  • 呼吸器・消化器・泌尿器などの炎症や熱性疾患に幅広く応用される。遷延化した熱性疾患には柴胡と配合して用いる。

 
黄柏(オウバク)
  • ミカン科のキハダまたはシナキハダの周皮を除いた樹皮
  • 黄連と同様にアルカロイドのベルベリンが主成分で、抗炎症および抗菌作用がある。
  • 苦味健胃薬・整腸薬として胃腸炎・腹痛・下痢に応用される。胆汁分泌促進作用が認められ、黄疸の治療にも使用される。通常、下半身(泌尿生殖器系や下肢)の炎症に用いるとされている。

 
山梔子(サンシシ)
  • アカネ科のクチナシの果実
  • 熱証全般に用いる。消炎・利胆・止血薬として黄疸・肝炎・血便・血尿・吐血・不眠の治療に用いる。肝疾患に対する効果はイリドイド配糖体のゲニポサイドおよびその腸内代謝産物であるゲニピン、あるいは黄色色素のクロシンやクロセチンによる胆汁分泌促進作用が主として関与している。


知母(チモ)
  • ユリ科のハナスゲの根茎
  • 滋潤性があって体液を保持し、清熱作用を持つので、熱証で体液消耗傾向のある場合に用いる。
  • ステロイドサポニンのチモサポニン類を含み、抗菌・解熱・血糖降下作用などが認められている。


連翹(レンギョウ)
  • モクセイ科のレンギョウの果実
  • 抗炎症作用や化膿を抑制する(清熱解毒)だけでなく、結節などを消退させる効果(消腫散結)を持つ。


茵ちん蒿(インチンコウ)
  • キク科のカワラヨモギの花穂
  • 黄疸を治療する代表薬。胆汁分泌促進作用・肝障害改善・抗炎症・解熱・利尿などの薬理作用がある。

9.がん細胞の増殖や転移を抑える生薬 =抗がん生薬=
半枝蓮 (ハンシレン)
  • シソ科のScutellaria barbataの全草。コガネバナ(生薬名:黄終)やタツナミソウと近縁植物。
  • アルカロイド・フラボノイド配糖体・フェノール類・タンニンなどを含み、清熱解毒・駆お血・利尿・抗菌・抗がん作用などがある。
  • 種々のがん細胞に対してある程度の抑制作用が認められている。
  • 黄色ブドウ球菌・緑膿菌・赤痢菌・チフス菌などスペクトルの広い抗菌作用がある。
白花蛇舌草 (ビャッカジャゼツソウ)
  • アカネ科のフタバムグラの根を含む全草。
  • 清熱解毒・利尿消腫・活血止痛・抗がんの作用がある。
  • 細網内皮系細胞の増殖刺激や白血球・マクロファージなどの食細胞の機能を著しく高め、その作用が抗炎症作用や抗腫瘍効果と関連している。
  • 各種の腫瘍に広範に使用され、特に消化管の腫瘍に対しては比較的よい治療効果がある。通常、半枝蓮などを配合して用いる。
  • 扁桃腺炎・気管支炎・咽喉炎・虫垂炎などの感染性疾患にも有効。
山豆根 (さんずこん) 
  • マメ科の広豆根の根が一般的である
  • アルカロイド、フラボノイド、フェノール性物質などを含み、清熱解毒や抗腫瘍の効果がある。清熱解毒(消炎・化膿の抑制)に働き、特に咽喉の腫脹・発赤・疼痛・化膿などに用いる。多くのがんに対して抑制作用がある。
蒲公英 (ホコウエイ)
  • キク科のタンポポおよび同属植物の根を含む全草。
  • 清熱解毒・消腫利水・抗菌・抗真菌・抗がん作用があり、健胃・軽度の瀉下・利胆および肝保護作用があり、黄疸などの肝疾患にも効果がある。
  • 乳がんや肺がんに効果が期待できる。各種感染症や炎症性疾患(乳腺炎など)にも有効。
夏枯草 (カゴソウ)
  • シソ科のウツボグサの花穂
  • しこりを縮小させる消腫散結の効能を利用して、各種腫瘍性疾患に応用できる。皮下結節・リンパ節腫・甲状腺腫などに、長期間使用すると有効。
よく苡仁 (ヨクイニン)
  • イネ科のハトムギの種皮を除いた成熟種子の乾燥品。
  • 民間療法としてイボ取りや美肌保全や滋養・強壮薬としても使われている。下痢や浮腫にも有効。
  • 動物実験ではがん細胞に対して増殖抑制作用が示されており、成分のコイキセノライドに抗腫瘍効果が確かめられている。コイキセノライドは脂肪酸のエステルで、中国では焦苡仁の脂質抽出液を注射剤としてがん治療に使用している。
紫根(シコン)
  • ムラサキ科のムラサキの根
  • ナフトキノン誘導体のシコニン、アセチルシコニンなどの紫色色素が含まれ、これらによる抗腫瘍効果が報告されている。抗炎症作用・抗発がんプロモーター作用・インターフェロン誘起作用なども報告されている。
  • 腸管内を滋潤して便通を良くする。
虎杖根 (コジョウコン)
  • タデ科のイタドリの根茎。
  • 抗がん作用と強い抗菌作用があり、各種のがん患者に感染症を伴う場合によく用いられる。
  • アントラキノン・アントラキノン配糖体・フラボン配糖体・タンニン・多糖などを含む。
  • がん抑制物質であるリスベラトロールを含むといわれている。常習性の便秘にも有効。
  • 化学療法や放射線治療による白血球減少症には、虎杖根に鶏血藤・何首烏などを加えて服用すると白血球を増加させることができる。
  • 多量に服用すると、悪心・嘔吐・下痢などの副作用をおこすこともある。シュウ酸を多く含むため尿路結石の原因となることがある。
牡蛎 (ボレイ)
  • 牡蛎の殻
  • 腫瘤を軟化させる軟堅散結の効果を持つ。リンパ節腫や腹中の腫瘍塊に、桃仁・三稜・莪朮・玄参・夏枯草などと用いる。
冬虫夏草 (トウチュウカソウ)
  • ガの幼虫に生えたキノコの一種。このキノコはバッカクキン科のフユムシナツクサタケ(冬虫夏草菌)と呼ばれる菌類で、特にコウモリガ科の昆虫の幼虫に寄生する。
  • 滋養強壮作用があり、実験的にも抗がん作用が証明されている。ただし、極めて高価である。
霊芝 (レイシ)
  • サルノコシカケ科のマンネンタケの子実体。
  • 滋補強壮・抗がん作用がある。肝臓保護作用や白血球増加作用・免疫機能の調節作用・鎮咳・去痰などの広範な薬理作用がある。
  • 悪性腫瘍の手術後、放射線治療や化学療法により身体が虚弱となり、白血球減少・免疫機能低下・食欲不振・悪心・嘔吐などの症状に、他の補気補血薬と用いて効果がある。
女貞子(ジョテイシ)
  • モクセイ科のトウネズミモチの果実
  • 滋養強壮薬として利用されるが、動物の移植腫瘍の増殖を抑制する効果や、抗がん剤治療による白血球減少を回復させる効果などが報告されている。
竜葵(リュウキ) 
  • ナス科のイヌホオズキの乾燥した全草
  • Solanine, Solasonine, Solamargineなどのアルカロイドを含み、これらのアルカロイドががん細胞に細胞死(アポトーシス)を引き起こすことが培養細胞の実験で報告されている。強い清熱解毒の効果を持ち、臨床的にも多くのがんの治療に使用されている。
七叶一枝花(シチョウイッシカ)
  • ユリ科のクルマバツクバネソウの根茎。別名「蚤休(ソウキュウ)」
  • 多種類のサポニンを含み、強い抗菌・抗ウイルス作用と抗がん活性を持つ。
蛇苺(ジャバイ)
  • バラ科ヤブヘビイチゴの全草
  • 抗菌・抗炎症作用があり、抗がん活性を有して多種のがんに応用される。

10.ハーブ、民間薬
マンゴスチン果皮
  • マンゴスチンはマレー半島を原産地とするオトギリソウ科樹木で、その果実の皮(果皮)は東南アジア地域では古くから民間薬として、感染症(赤痢やマラリアや寄生虫など)、皮膚疾患(湿疹や傷の化膿など)、消化器疾患(下痢や消化不良など)、炎症性疾患など多くの病気の治療に利用されている。
  • 殺菌作用、解熱作用、抗炎症作用、抗酸化作用、滋養強壮作用などの薬効があり、これらの効果は、マンゴスチン果皮に多く含まれるキサントンと言う成分の薬理作用と考えられている。
  • キサントンはポリフェノールの一種で、マンゴスチンからは20種類以上のキサントンが見つかっている。キサントンは他に類をみないほど強力な抗酸化作用をもっており、さらに、抗菌・殺菌作用、抗ウイルス作用、抗炎症作用、シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2阻害作用)、がん予防作用、抗腫瘍作用などが報告されている。
  • 米国ではキサントンを多く含むマンゴスチン果皮エキスがサプリメントとして販売され、がん、動脈硬化やアルツハイマー病、アレルギー疾患など多くの疾患の予防や治療に利用されている。
ミルクシスル (milk thistle)

  • 学名はSilybum marianum というキク科の植物。
  • ミルクシスル、マリアアザミ、オオアザミ、オオヒレアザミなどと呼ばれ、その種子がヨーロッパにおいて古くから肝障害の治療薬として民間療法として利用されてきた。近年、ミルクシスルの肝細胞保護作用や肝機能改善作用の効果は科学的に証明されている。
  • ミルクシスルの活性成分はシリマリン(silymarin)というフラボノリグナン(flavonolignan)の混合物。シリマリンには、シリビニン(silibinin), シリジアニン(silydianin), イソシリビン(isosilybin), シリクリスチン(silychristin)などがある。ミルクシスル種子は4〜6%のシリマリンを含有する。
  • 1970年代から種子に含まれるシリマリンを中心に研究がすすめられ、ドイツでは肝炎や肝硬変の治療に30年も前から「レガロン」という名前で用いている。
  • 抗がん剤治療によって受けたダメージの回復や血液浄化にも有効であることが多くの臨床試験によって確認されている。抗がん剤による肝臓のダメージを軽減し、傷害を受けた肝細胞の再生を促進する作用も確かめられており、血液浄化と解毒を促進するハーブとして利用されている。
  • 肝機能障害を発症した急性リンパ性白血病の50人の子供を対象に、ミルクシスルのサプリメントの治療効果がランダム化二重盲検試験で検討されている。その試験結果によると、ミルクシスルの投与によって、肝機能が著明に改善することが明らかになっている。
  • ミルクシスルは肝臓保護作用の他にも、抗がん剤による腎臓や心臓のダメージを軽減する効果も報告されている。
  • 副作用はほとんど無い。
  • ミルクシスルは肝細胞の再生を促進する作用があるため、肝細胞ががん化した肝細胞がんに対しては、ミルクシスルを使用しない方が良いという意見がある。





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